
本日は、制作中のドキュメンタリー映画「UCHI-BENKEI」にとっても大切な部分になる撮影に来ました


「岩手畜産流通センター」さんです

事務所内で、私達の取材意図や映画についての説明などさせていただき、
加工工場内を見学

まず、工場のゲート内に入ってくるときに、
牛や豚に病気があるかないかの健康状態を獣医さんが確認するそうです。
それから、豚と牛の待合所に行くと・・・
豚の皆さん、何かを察知してか、大騒ぎなのです。
その騒ぐ声は、恐怖とか悲哀とか怒りとかを越えていて、
正直、狂気の沙汰、って言葉の方が合うように感じました。
このような状況を見て、「豚や牛がかわいそうだから、食べるのをやめよう」という、
甘いヒューマニズムは、残念ながら私の頭にはなくて、
何が本当に残酷なことなのか、という思いの方が強く心に浮かんできました。
そして、思いだされたのが、和歌山県太地町で聞いた、
「動物を殺すことが残酷なのではなく、食べずに残され捨てられる方がよほど残酷だ」という言葉。
私達の文化の中にしっかりと根付いてしまった肉食文化を、
「動物を殺すことが残酷だから」やめよう、というのは本当にバカげた話だと思っています。
動物は残酷でも魚や植物は悲鳴を上げないから残酷ではないのか、と言えば、
そんなことはなく、同じようにいのちを持っているではないか、
というのが、多くの日本人の中で共有されている感覚なのかな、と思うのです。
(正確には、私が思う、ではなく、実際に旅してまわっていて、多く聞こえてくる意見という意味で言っています。)
だから、私達は、食事になるために死んでいく動物の悲鳴のようなものを耳にして、
忘れずにきちんと残さず食べる、ってこと、
感謝して、いのちをいただいて生きる、ってことが大事なんだなって、
待合所の喧騒の中でしみじみ感じたわけです。
工場の裏手には、畜魂碑が。

さて、工場内を見学です。
牛は気絶をさせて、その間に血抜きをし、
頭と手足の先の方を切り離し、皮をはぎ、腹を切って内臓を取り出し、
そして大きく切り分けていきます。

これは、枝肉、という状態だそうです。
さらに、流れ作業の中で、いろいろな部位に分けられていきます。

それから、箱に詰め込まれる前の状態になって出てきます。

今年の夏の口蹄疫問題もあり、清潔であることにものすごく配慮された場所です。
私も、口蹄疫の発覚した頃、そして問題になっている頃にちょうど旅の前半戦をしていて、
農家の人は大変だな〜・・・って思っていたんです。
でも、旅の中で実際にいろいろな農家さんとお話させていただき、
大変だな、っていう気持ち以上に、
この問題についてのやりきれない悲しさみたいな感情を少し分けてもらった気がしています。
今回は宮崎で募金くらいしかできなかったのですが、
農家さんも食肉センターさんも、どんな目的であっても部外者を入れたくない、
という気持ちになるのは本当にごもっともなことです。
そんな中、今回「いわちく」さんで取材させていただいたことに本当に感謝しています。
さて、見学させていただいた後には、感謝して食事をいただきましょう

工場直売店の「ジョバンニ」さんで焼肉ランチです


ボリューム満点です

取材を終えて「いわちく」さんを後にし、



この辺りで「東京まで500キロ」の看板を見つけて、
ああ〜・・・終わりが近いなぁ〜・・・って、さびしくなりました


翌日は弁慶ゆかりの平泉「中尊寺」を目指していたので、
今日は水沢駅近辺にて休みました

ワカコ
自転車でリアカーを引きながら全国一周ライブを行ってます。「UCHI-BENKEI」のはたを見かけたらお声掛けください!
「お米(ササニシキ)」を作っております。
他界しました祖父母に、
食べ物に関しては、とても厳しく育てられました。
残す残さないはもちろんですが、食中態度なども。
足を組んで片足で食事をすることは、
両足をふんばって作っていただいているお百姓さんに失礼など...
それはもう事細かく。
今となっては、うれしいことです。
もっと普及してよいことですし、
忘れてはいけないんだな〜って、
旅の中で何度も考えさせられました。
それを教えられていなくて、
食事を粗末に扱う若者や子供がいるのなら、
教えるのが大人の務めなんですよね、本当は。